なぜ、為替が動くのか。
円高になったり、円安になったりするのは何故なのか。
この理由を正しく理解することが出来たら最強のトレーダーだ。
だって、この理由が分かればFXで勝てるようになるから。
今回はそんな疑問にお答えしたい。
なぜ、ドル円が上がったり下がったりするのか考えよう。
これを曖昧にしているといつまでも勝てない。
為替が動く大前提は「期待」と「不安」
例えば、1ドル100円の時と110円の時と120円の時を比べてみる。
「円」が一番人気なのは1ドル100円のときだ。
逆に「円」が一番人気が無く、ドルの人気が高まっているときには1ドル120円になる。
「人気が高まる」とはつまり「その通貨を買いたい」と思っていることだが、
「ドルを買えば儲かる」という期待がドル円を上げることになり「ドルを買っても損する」という失望がドル円を下げるのだ。
じゃあ、どんなときに「ドル買いたい!」と思うのかをまとめてみた。
1.金利差
銀行に貯金しておけば利子が付くように、通貨を持っていても利子が付く。
当然、投資家は利子がより高い通貨を持っておきたいと思うだろう。
日本は低金利政策をとっているので政策金利は0.1%だ。
対してアメリカの政策金利は2.00%。
円を使ってドルを買えば、その差である1.65%の金利が手に入ることになる。
アメリカは最近、年3~4回のペースで利上げをしているからこれからも少しずつ日本との金利差は拡大していくことが予想される。
これを見越して、現在は金利差拡大の「期待」によってドル円の上昇があったりする。
2.株価の上昇
日経平均株価やダウ平均株価の上昇に釣られてドル円も上昇する。
株価が上昇する、というのはその国の経済状況が良いことを意味する。
経済状況が良くなると企業などは設備投資や事業拡大をする。
そのときには大量の資金が必要になる。
アメリカの会社が大きくなるときにはドルの流通が大きくなることが期待される。
株価の上昇は中長期的に見ると「今」投資しておけばいずれドルが必要になって価格が上昇したときに利益になると考えた投資家によってドル円の上昇にも繋がる。
不思議に感じるのが「日経が上昇したときもドル円が上昇する」という現象だ。
「日本の株が上がっているのだから人気になるのはドルじゃなくて円でしょ?」と筆者も思っていた。
だが、これには簡単な答えがある。
「日経が上がるときにはダウも上がってる」ということだ。
世界経済の中心は日本ではない。
世界的に見ればダウのほうが重要視される。
ダウが上がる⇒日経が上がる⇒ドル円が上がる
だから、ダウが上がればドル円も上がると言うわけだ。
もちろん、アメリカにだけ金融危機が起きて「ダウが下がって、日経が上がる」ようなことがあれば人気になるのは「円」になるだろう。
が、実際にはそんな恐慌が起きたときに日本株だけが平気なわけがないのだ。
4.米国債の利回り
国債は「国」が発行するため「限りなく安全な資産」という位置付けになる。
「株式」は会社が潰れたらおしまいだが「国」が潰れることはまずないからだ。
※危ない国はもちろんあるが…
特に、日本・アメリカ・ドイツの三国は他国の国債と比べても利回りは低い傾向にある。
これは、この三国が「将来においても安全な国」という地位を築いているからだ。
アメリカの国債の利回りが上昇するということは投資家が国債を売っている、ということになる。
※国債を売って安くなれば相対的に利率が上がるというのが国債。
「安全だが低利率の国債を売った」ということはそのお金でより高利率の商品を買ったということになる。
高利率の商品はダメになる可能性が高いことも意味するため世界的にリスクを取っても大丈夫、という雰囲気に傾いていることになる。
リスクオン相場というが、このときドル円は上昇する。
5.貿易収支
貿易黒字が出ているということは経済活動がより活発化する可能性を秘めている。
これもまた「期待」によってドル円が上昇する要因だ。
6.金価格
一般的に「金価格が下がればドル円は上昇する」。
理屈はこうだ。
金は長期的にあまり値段が変わらない安全な資産と考えられている。
世界情勢が不安な時などは通貨を持っているより金を持っておくほうが安全なのだ。
ところが、金は保有していても利子は付かない。
世界情勢が安定している時には金なんか売ってしまって利子が高い商品に投資するほうが良い。
つまりこれが、金売り、ドル買いに繋がる。
金価格が下がると、ドル円が上昇する理由の一つである。
7.地政学的リスク
政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりがしばしば起こる。
それが地理的な位置関係によって、その地域や関連地域の経済、世界経済全体の先行きを不透明にしたり、通貨価格を変動させたりするリスクを地政学的リスクという。
よく北朝鮮やシリアなどの軍事的ないざこざが取沙汰されるがこうしたリスクが迫っているときにはドル円は下降する要因だ。
ひとこと
いかがだったろうか。
実際のチャートはこうした要因がいくつも複雑に絡み合っている。
だが、基本的には上に挙げたように「期待」と「不安」でレートは動く。
こうした要因を頭に入れておいて二手、三手先の未来を読むことが出来ればチャートの動きが読めるようになってくる。
他にも細かい要因はあるが、初心者の方にはまずこれだけは知っておいてほしいと思う。
そして、上級者の方はこの記事を拡散して初心者へ届けてほしい。以上。
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